パイプラインでのチューブ水の中から撮影しているが、あの「フリーライド」より4年早い。取る側が名サーファーだから視線がバッチリだ。サーフィン以外のシーンから当時を直視できるが、まさに今流行って行っている、というか権利を得たヒッピーカルチャーがある。ヌードでサーフィンするシーンも一瞬ある。バレリーナと波の映像を重ねたり、当時のドラッグカルチャーの影響も多い。23分過ぎには若き日のオウル・チャップマンが収まっているが、ハワイでももっともアグレッシブなハイラインを好んでいたことが、ライディングから分かる。ディック・ブリューワーの元で唯一シェープを許されたオウル・チャップマンのサンセットアタックは素晴らしい。 音楽はジミ・ヘンドリックス、ザ・バンド、サンタナ、フー、エマーソン・レイク&パーマー、ムーディーブルース、オシビザ、ハワイアン、南アフリカの民族音楽とやりたい放題である。さらに全米プロサーファーのコーキー・キャロルも参加しているが、まさにサーファーによるサーフミュージックの元祖である。ロックが複雑化という進化をする中、サーフィンはショートボード革命の真っ最中だった。短くなるばかりではなく、デザインそのものが大きく多様化した。
Oceans オーシャンズ
製作年度:1972年
監督:ロドニー・サンプター
時間:51分
定価:3,143円(税別) ※こちらは古いフィルムのため、映像・音声にノイズ、コマ落ちがあります。)